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警察OB・元政治家秘書の社会評論家│渋井治雄が時事問題を語る

交番で上司の警察官を部下の警察官が射殺する、そんな事件は明治7年の警察創設以来初めてです

信じられないことが起きてしまった。交番での拳銃自殺は過去に起きたことがあるが、22歳も年上の上司を背後から勤務中に貸与された拳銃で射殺するとは、この19歳新任警察官の精神構造を調べ必要があるのではなかろうか。今回の殺人は、採用ミスでは、とても済まされない事件であり警察の根幹を揺るがす程の犯罪である。

警察官採用時には、学科試験、身体検査の他に、心理適性検査も行われているはずであり、それでも把握できない場合であっても、高卒採用の、約10か月間の警察学校教養の中で、担当職員なら、これはダメだと思う学生は、特別なことをしなくともわかるはずだと思います。今は、どうだかわかりませんが、私が教官の頃は、警察官の正式採用前に、仮入校と言って一週間、担当学生をしっかりと見る期間があり、ここで、警察官としての適正に欠ける者は、辞退してもらう手続きを取ったものでした。学生も当然ながら十人十色で、それぞれに長所、短所があり、指導方法も、その学生の気質を、よく判断しながら行う必要がありましたね。

今の時代の難しいのは、若者に子供の頃から生活の苦労があまり無く、殴り合いの喧嘩などもしたことが無く、親にも怒られたことも無い、それでいて、極めてストレスに弱く、協調性等も薄く、全てにゲーム感覚で、自己中心的発想しか持ち合わせていない、そんな、のっぺらぼうな青年が増えている様な気がします。

そんな感覚の青年ばかりが、警察官になったとしたら、これは怖いですね。

何が原因で、上司であり、巡査部長である主任さんに叱責されたのかはわかりませんが、普通なら、些細なことなら、たとえ、どんな人でも、一応は上司なのですからスミマセンと謝るのが自然ですね。それでも、パワハラと感じて辛抱できなければ、係長さんや、代理さんや、課長さんに話して、他の交番や他の地域係に変更してもらえばいいと思うのに、いきなり拳銃で射殺なのですから、これは、とてもじゃないが、人間関係なんてものではありません。

警察には失礼だが、私が警察官になった47年前は、上野の山の自衛官採用呼び込みと一緒で、警察官も不人気で、泥棒を捕まえなくとも、たとえ採用にならなくとも、受験勧奨だけでも実績となった時代でした。

それが、今は、国立大学卒業生だけで巡査採用の枠が無くなってしまうという公務員大人気の時代なのですから、何だか可笑しな気がします。私が、現職の派出所勤務の頃、お母さんが、手を引いている自分の子供に向かって、「そんなに、お母さんの言うことを聞かないと、不良になってしまって、お巡りさんにしか、なれなくなるよ」と、言っている姿を思い出します。

それでも、そんな警察不人気の時代であっても、上司を拳銃で射殺する事件など、あろうはずがありませんでした。

もしかしたら、もはや、警察だけでは手に負えない社会になっているのではないでしょうか。

如何に監督責任とは言え、長い時間、深々と頭を下げる滋賀県警察の警務部長さんが、気の毒でなりませんでしたね。

誠にもって、残念、無念でなりません。

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